2016年7月17日、黒田装束店さんにて物具装束の衣装体験をしてまいりました。 こちらの店舗はこの時の訪問が3回目の訪問になります。 最初に店舗の中に入ると、店長様と女将様に接客して頂いて十二単が置かれた箱を見せて頂く事になりました。
衣装体験の概要
体験日:2016年7月17日
時間:9時から11時
黒田装束店さんの物具装束
体験料金:30000円(税込)
上かつら追加料金:13000円(税込)
メイク追加料金:5000円(税込)
几帳(大)追加料金:5000円(税込)
衣装の内容について
平安時代の女性の威儀を正した正装としての物具装束姿。
小袖:白色
袴:緋色の長袴
単:萌黄色
五衣:紅梅の匂い襲ね
打衣:赤色
表着:朱鷺色
唐衣:赤色
裳:白色(絵柄入り)
裙帯・比礼:薄緋色の段染め
実際に衣装を着付けられて
この時に一緒に裙帯比礼も見せて頂きましたが、裙帯の仕様は特殊な帯が付いている裳が用意されて、さらに他の店舗で言う所の奈良時代女官朝服で用意されるような比礼が用意されました。 2016年の当時では物具装束が体験出来る店舗が黒田装束店さんのみになっていましたので、資料の収集を兼ねてとても良い物を見せて頂く事が出来ました。

物具装束ですので、十二単に裙帯比礼の付いている物になります。 先述にもありますが、裙帯は裳の帯が特殊な物になっていてそれに比礼が付けられての仕上がりになります。 かつらは結い上げた物が店舗側に無かったと言う事で垂髪のかつらに天冠が付けられての設定になっています。
何をきっかけでこちらの衣装体験を知ったのかと言われますと、衣装体験や装束体験を通じて知り合った方のブログに黒田装束店さんでの物具装束の衣装体験が掲載されていたと言う事で店舗側に電話で訊ねていた所、十二単の衣装体験に追加料金を加えた料金で体験出来ると言う事を教えて頂いて体験させて頂いた形になっています。

こちらの店舗の十二単の構成としては下着類と長袴と五衣と打衣は最初から1種類の物が用意されていますが、それ以外の物は基本的には2種類用意されていてそれらの中から自由に選んで着付けて頂くと言う形式になっています。
物具装束の場合は唐衣が赤色の物のみですので、唐衣も最初から1種類の設定になっていた為、選べた物としては単と表着のみになっていました。 単と表着は特に予約時に希望を言った訳ではありませんでしたので店長様が任意で2種類の物を用意して頂きました。

物具装束と言う設定でしたので長袴の設定は緋色の物が用意されました。 黒田装束店さんでの十二単系の衣装体験の場合は季節によって五衣の襲ね色目が異なりますが、夏の設定でしたので紅梅の匂い襲ねの五衣を用意して頂きました。 黒田装束店さんは冬の時期は営業されている日数は少ないですが、冬の時期と春の時期、夏の時期、秋の時期にはそれぞれ違う設定の五衣が用意されると言う事を店長様に教えて頂きました。
春の時期は「葵祭」の関係で短期間でしか営業されていませんがその時の五衣の襲ね色目は夏の時期や秋の時期とも異なっていてその点が魅力あると言う事を衣装体験や装束体験の趣味を通じての友人に教えて頂きました。

こちらの店舗の十二単の衣装体験の場合は足袋の代わりに襪(しとうず)が用意されていますので、店長様と奥方様に教えて頂く形で襪を履いて足袋とは違う足元の感覚を味わう事が出来ました。 メイクに関しては後述で書きますが、メイクが終わると店長様と女将様が衣紋者になって着付けが開始されていきました。
この時には単は萌黄色の物を選んで、表着は朱鷺色の物を選んで唐衣は最初から用意されている赤色の物を選ぶ事になりました。 赤色の唐衣はかなり前の時代から存在していて、趣味を通じての古い友人の方が着られていた物と同じ物になっていて懐かしい思い出が出て来ました。

なお五衣は紅梅の匂い襲ねになっていて、着付け方としては最初にだんだん前の形で表着まで着付けられてから、共合わせの着付け方に整えられてから仕上げて頂けます。 五衣の襲ね色目は訪問した季節で変えられていて夏は紅梅の匂い襲ねの物が用意されています。 秋の時期の場合は紅葉襲ねになりますので、季節ごとに違う物が用意されています。
物具装束の着付けとしては、裳の着付け方が異なっていて前で結び目を整えて頂いてから唐衣と比礼が着付けられて完成します。 通常の十二単の着付けの時と異なるのは裳の仕様の違いもありますが、先に裳を着付けてから唐衣が着付けられると言いますかそのような感じになっています。

かつらを付けて頂くときには、物具装束の場合は形の上では結い髪ですので、鬢削ぎは使わない事も出来ますがどうされますかと聞かれましたが、見た目的な雰囲気を良くしたい事もあって敢えて鬢削ぎを付けて頂いての髪型の設定にして頂きました。
物具装束ですので通常の十二単や斎王代風の十二単の設定とは異なって日蔭の糸はなかったのですが、日蔭の糸がない代わりに天冠が用意されています。 天冠も一般的な神職系の卸売りの業者で販売されているような物ではない高級感のある物が用意されて、着付けられていて本当に至れり尽くせりのように感じました。
衣装の組み合わせのお勧めは

黒田装束店さんでの物具装束の衣装体験の場合は特に仕様を希望していない場合は店長様が予め2種類の単と表着が用意されてそれらの中から選ぶ事になります。
この時には朱鷺色の表着と山吹色の表着が用意されましたが、赤色の唐衣と合わせる事を考えて色味の近い物が着たいと言う事で朱鷺色の表着を選ぶ事になりました。 朱鷺色の表着は見ていて可愛らしい色目の物になっていて以前にも選んだ事がありましたが、また着たくなったと言う事もあって二度目になりますが選ばせて頂きました。
表着は萌黄色と朱鷺色と山吹色と後年になって選んだ蘇芳色の物は見た事がありますが、こちらの記事を再編集している2025年の現在ではまた新たに制作されたと言う話も聞いていてそれも気になっていたりします。

十二単の衣装体験の場合は通常は長袴の色も選べるようになっていますが、この時は物具装束の設定でしたので成人女性の設定である緋色の長袴のみ選べるようになっていました。 黒田装束店さんでの十二単の衣装体験の場合は濃色の長袴もありますが、それも色の出方と言い仕立ての良さと言い本当に良い物になっています。
唐衣も3着存在していますが、この時には物具装束の設定でしたので赤色の唐衣が用意されました。 残りの2着はと言われると萌黄色の唐衣と薄紫色の唐衣になりますが通常の十二単を希望した際にはそれらの中から任意の2着が用意される場合があります。
物具装束の衣装体験でお勧めなのは他所の店舗では余り見られない朱鷺色の表着や山吹色の表着を含めた設定でしょうか。 どちらの組み合わせでも他所の店舗では余り見られない組み合わせになるだけにお勧めであったりします。
メイクの設定

最初に下着姿に着替えてからは女将様にメイクをして頂きましたが、この時には汗衫の衣装体験をする事もあって、少女を意識して可愛くメイクして頂きました。 本当に別人と思う位に可愛い仕上がりになって嬉しかったです。
その時のメイクが余りにも良く印象に残っていた事があって他の店舗でも少女のような感じのメイクをお願いする事も出て来ました。 2016年に体験したと言う事で私の年齢は38歳ではありましたが実年齢よりも20歳以上若い設定のメイクを希望した形になります。 明らかに15、6歳位の年齢の設定のような雰囲気に仕上げて頂きました。

メイクは女将様にして頂けますが、良くある舞台用のドーランベースのメイクになります。 希望をしたら平安時代の成人女性風の殿上眉のメイクもして頂けるのですが、この時は汗衫の衣装体験もすると言う事で少女風のメイクをする形になりましたので通常の眉毛の設定でメイクをして頂きました。
実年齢の事を考慮すると明らかに殿上眉の方が合っているのですが、現代的と言いますか若年層の設定での衣装体験をしたいのか、他の店舗での衣装体験の場合を含めても通常の眉毛の設定で描いて頂いている状態です。
かつらは物具装束であると言う設定で釵子のある上かつらを用意して頂きました。 追加料金がそれなりに掛かりますが釵子があると雰囲気が出て良いですので物具装束の世界観を出すにはその方が向いているのではと思いました。
小道具の設定

小道具は史実とかけ離れていない物であれば持参は可能ですが、物具装束であると言う事を意識して造花の花束を持参しました。 他に何か持参したいかなとも思ったのですが、特に思い付いた物がなくと言う事で実際に持ち込んだ物としては造花の花束のみになります。
店舗側で用意される小道具としては檜扇になりますが、平安時代を意識してなのか房の飾りのない物が用意されました。 房の飾りのない檜扇が用意される場所と言う意味では他には時代やさんや学術施設ではありますがいつきのみや歴史体験館さんがありますが、後者の場合は黒田装束店さんの物が使われていると言う事でほぼ同じ設定の檜扇が用意されているのかなと感じさせられました。
自由撮影

着付けが完成すると手持ちのデジカメで店長様に撮影して頂けます。 最初は立ちでの構図を小道具を変えながら30枚程度撮影して頂いてから座りでの構図での撮影もして頂く事になりました。
基本的には手持ちのデジカメでの撮影の対応になりますので画質の良いデジカメを持参される事をお勧めします。 近年ではスマートフォンのカメラ機能の画質が格段に良くなっているのでデジカメを所持されていない場合はスマートフォンでの撮影で対応して頂く形でしょうか。
2016年の当時ではデジカメの方が画質の面でかなり良かったと言う事でこの時にはデジカメで撮影をして頂く形になりました。 こちらの記事を再編集している2025年の現在であるのならスマートフォンの画質もかなり良くなっていますのでそれで撮影して頂くのも良いのではと思っています。

立ちでの構図と座りでの構図を両方合わせた撮影枚数としては約60枚になりました。 立ちの構図でも座りでの構図でも小道具としては貸し出された檜扇と造花の花束を使用しましたが、どの写真も雰囲気が出ていて本当に衣装体験をして良かったと感じています。
衣装の設定が物具装束であると言う事で裙帯比礼が付けられた形の物ですが、本当に華やか且つ上品な色目に仕上がっているのでデジカメに収められた写真を見て京都にまで行って体験して良かったと感じさせられます。 2016年の当時では物具装束の衣装体験はこちらの黒田装束店さんでしか体験する事が出来なかったと言う事で貴重な体験をさせて頂きました。

造花の花束を持参しての撮影になっていますが、菊を愛でている平安時代の女性貴族と言う感じでは雰囲気が伝わっているであろうと思いますので、季節の造花は持参して正解であったのかなと思いました。
物具装束であると言う事でしたが小道具で何を持参すれば良いのかが分からずに無難に造花の花束を持参しましたが、造花は他の時代設定の衣装でも使うだけにもっと高級な物を選んで持参した方が良かったのかもしれません。
造花の花束ではありますが実は仏花をアレンジした物になります。 仏花のアレンジになると比較的安い料金で揃える事が可能ですが、華やかさの面では慶事用の和花のブーケを持参した方が良いと思います。
立ちでの構図でも座りでの構図も十分な位に撮影して頂いて撮れ高としては約60枚ですが満足の行く衣装体験になりました。 衣装の良さが良い意味で流石は京都品質の物であるのかなと感じさせられました。
まとめ

本格的な物具装束と言う意味では初めての衣装体験でしたが、この機会に物具装束の衣装体験をする事が出来て大満足の内容になってとても良い思い出が出来ました。
一般層の人で体験出来る物としては珍しい設定である物具装束の衣装体験をしましたが、流石は装束専門店である黒田装束店さんの仕立てでしょうか着付けの面でも良い物が体験出来て、髪型も豪華なかつらの設定を選ばせて頂いてメイクもして頂いての至れり尽くせりの衣装体験になりました。
今回は雰囲気作りの為に造花の花束を持参しての撮影になりましたが、平安時代の威儀を正した正装である物具装束を衣装体験の場ではありながら再現する事が出来て収穫としてはとても良い物がありました。
小道具と言う事で言えば神楽鈴のような物も良いのかもしれませんが2016年の時点ではそのような小道具を持っていなかったと言う事で別の小道具を使う事にしましたが雰囲気が出ていて良い感じに仕上がりました。
次回に訪問するのであれば、久し振りに斎王代風の小忌衣の付いた十二単も良いかなと思っていますがどの時点で実現出来るのかですね。 良い意味で次の計画が出来そうな思い残しが出来た衣装体験になりました。