冬季休暇の旅行は原則的にはおひとり様での旅行に出掛けていますが、奇数年の年末であると言う事で偶数年の年末のように派手に散財する事は出来ませんでしたので予算がある程度決められている状態での旅行になりました。おひとり様での旅行であるだけに候補地は国内も海外も選択肢として色々ありましたが、国内であるのなら南国リゾートに出掛けたいと思って複数の候補地から航空券を探す事にしました。
往路と復路の航空券の料金の面で丁度良かったのが2025年12月25日の出発で12月29日の帰着でしたので日程の面では4泊5日の旅程の内容になりましたが、南国リゾートでも前々から興味のある石垣島と八重山諸島に出掛ける事にしました。
現地では複数のツアーの参加しましたが、石垣島や八重山諸島への旅行としては王道であろう西表島や竹富島、石垣島の主な観光スポットを巡るツアーバスを選んで玉取崎展望台やシーサー農園や川平公園と言った王道的な観光スポットを巡る内容にしました。公共交通機関での訪問が難しい場所にも出掛ける形の物になりましたが、石垣島に行く事は初めてでしたので王道的な観光を意識した内容の物で旅程を組む事にしました。
4泊5日での1年に1度出掛けるかどうかの規模の大きな旅行になりましたがその行程の一つとしてツアーバスへの参加で米子焼工房のシーサー農園を見物をしたと言う事でその事を書かせて頂こうと思います。今回の旅行はおひとり様の旅行ですが、レンタカーなしでの旅行ですので参考になればと言う思いがあります。
前回の記事はこちらになります。
fuuga-no-esugata.hatenablog.com
- 観光スポットの概要
- 色鮮やかで写真映えするシーサーが展示されています
- 様々なシーサーが展示されているのが圧巻です
- 地球外生物を意識してのシーサーがあります
- シーサーの口の中の部分も派手に描かれています
- シーサーと水面が綺麗に映えています
- 短い時間ではありましたが堪能出来ました
観光スポットの概要
スポット名:米子焼工房(シーサー農園)
住所:沖縄県石垣市桴海447-1番地
訪問日:2025年12月27日
時間:10:15→10:45
入場料金:無料
色鮮やかで写真映えするシーサーが展示されています

沖縄県の石垣島北部、米原地区にあるのが米子焼工房のシーサー農園になります。ここは単なる観光スポットの範囲を超えて、焼き物工房、野外美術館、現代沖縄の美術の実験的な展示空間として機能する極めて特異な空間になっています。展示されている巨大なシーサーやオブジェは色鮮やかで青空の光を浴びて輝いてそれが写真映えしている物になっています。
様々なシーサーが展示されているのが圧巻です

米子焼工房のシーサー農園に来られた来訪者は、沖縄県の家庭の守護獣と言う一般的なシーサー観を根底から覆されます。その場所に並んでいるのは、伝統的な赤瓦屋根の上のシーサーではない物で、数メートルの高さのある巨大オブジェや、極彩色に彩られた獣神、笑う怪物、地球外生物、原始宗教の神像にも見える存在群になっています。近年では多様性が謳われる事がありましたが、こちらのシーサー農園ではシーサーの表現の多様性を活かしての展示がされています。
現代美術の展示を見ているような感覚です

シーサー農園は、外国人観光客にも人気が高いです。理由は単純で説明をしなくても伝わるだからで、見た瞬間に面白い、言葉がいらない、巨大、 極彩色、 笑顔、これは世界共通で伝わって来ます。こう言ったのが現代美術らしい物になっているように感じました。良い意味で日本的過ぎない沖縄の文化ではありますが、海外の人から見ると、沖縄県は「日本だけど日本じゃない」ように見える事があります。その独特さが、非常に魅力的に映って来ます。

米子焼工房を一言で表すなら「自由」になります。伝統に縛られない形でありながら、伝統を捨ててもいないです。楽しさ、 笑顔、 エネルギー、それらを真正面から肯定しています。巨大シーサーやオブジェを見ていると、不思議と元気が出て来ますが。それは、作品その物が一種の生命力を持っているからであろうと思います。沖縄の太陽、 南国リゾートの自然、 焼き物文化や守護信仰、それらが混ざり合って一つの空間になっています。
地球外生物を意識してのシーサーがあります

米子焼は、その伝統機能を保ちながらも、幸福の象徴へと進化させています。米子焼の作品は、民芸と現代ポップアートが融合しています。例に挙げると、巨大な目、誇張された牙、デフォルメされた身体、コミカルな笑顔は、「太陽の塔」で有名な岡本太郎のエネルギー芸術にも近いです。一方で、土着信仰の呪術性も失っておらず、米子焼工房のシーサーは、かわいいと畏怖を同時に成立させています。これは極めて難しい芸術バランスになっています。
装飾は伝統的なシーサーを受け継いでいます

米子焼工房は伝統を壊しているように見えながらも実は非常に沖縄的になっています。沖縄文化は、本来とても柔軟で混交的な所があります。沖縄文化は中国文化、日本文化、 東南アジア文化、 アメリカ文化、それぞれの文化を吸収しながら独自化して来ています。米子焼も同じで伝統的なシーサーを土台にしながら、現代美術、観光文化、ポップカルチャーを融合させています。これは、現代沖縄文化らしさの象徴と言えます。
シーサーの口の中の部分も派手に描かれています

シーサー農園は、沖縄県、それも石垣島という土地だから成立しているのではと思われます。これがもし、東京の都心に同じ物を置いてもここまでの力は出ないでしょう。理由は、石垣島その物が持つ自然エネルギーにあります。強い光、 濃い緑、 高い湿度、海風、赤土、これらが、米子焼の極彩色と完璧に噛み合っています。つまり作品と土地が一体化しています。こちらのシーサーは口の中に描かれているのは、エネルギーが放たれている姿であろうと考えさせられます。

米子焼工房のシーサー農園は、現代美術的な視点から見ても非常に興味深いです。環境芸術との共通点があります。既存の芸術には従わず、自由、 過剰、混沌、 生命力、これらが極めて強い物になります。良くある美術館では、整い過ぎた美が展示される事が多ですが、シーサー農園には、むしろ混沌の美があります。だからこそ人間の本能に突き刺さって来ます。
恐竜のようなシーサーです

こちらの巨大なシーサーは恐竜のような形になっています。極彩色で描かれた身体に伝統的なシーサーの顔がありますが、人間の身長よりも大きな物になっていて恐ろしい見た目ですが、青空の強い光の下に極彩色に彩られた身体ではありますが、派手な見た目ではありますが石垣島の豊かな自然に馴染んでいます。シーサーが守護獣として家庭で祀られている沖縄県では古来、自然そのものに神が宿るという考え方が強いです。
シーサーと言うよりも現代美術のオブジェに近い物も展示されています

沖縄県の御嶽(うたき)信仰、祖先信仰、自然崇拝、山、海、岩、木、全てに霊性があります。シーサー農園にも、その沖縄的精神文化が色濃く流れています。シーサー農園が単なる商業的な現在美術の展示とは違い、土地のエネルギーを感じる人が多いのはその為になります。シーサー農園は、一体の作品を見る場所ではなく、世界その物を体験する場所になっています。大量のオブジェが空間を埋め尽くす事で、訪問者の感覚を支配します。つまり、それぞれのシーサーやオブジェの作品より、世界観その物が芸術になっています。
彫刻のような雰囲気になっています

こちらのシーサーはシーサーと言うよりは彫刻に近いオブジェになっています。沖縄の伝統シーサーは本来、村落守護や境界守護の役割を持っていました。遠くからでも魔を睨む存在になります。米子焼工房のシーサー農園ではその性質を極限まで拡張し、土地全体を守る神格へ変換しています。巨大化によってシーサーは、精神的ランドマークや大地の守護神、空間支配者として変貌しています。
荒々しい見た目のシーサーです

米子焼工房のシーサー農園では、青色、赤色、黄緑色、紫色、橙色、桃色、黄金色等、熱帯性の強い色彩が爆発的に使われています。自由な創作性がある一方で、土着信仰の呪術性も失っていないです。つまり彼らは、かわいいと畏怖を同時に成立させています。これは極めて難しい芸術バランスになっています。こちらのシーサーは荒々しい見た目ではありますが、それと同時に可愛さの側面も持っています。米子焼の作品は、民芸と現代ポップアートが融合していいます。
シーサーと水面が綺麗に映えています

シーサー農園が特別なのは、オブジェ単体ではありません。周囲環境との融合になります。池と小川公式説明にもあるように、園内には池や小川があります。水は沖縄文化において生命の象徴で、その水辺に巨大守護獣を配置する事で、空間に神話性が生まれています。熱帯果樹も植えられていますが、これにより、楽園性、南国性、原始自然感が強調されています。まるで獣神たちの住む密林のような世界観が形成されています。
猿のようなシーサーもあります

こちらは狛犬の顔のシーサーの上に猿のような見た目のシーサーが乗っています。狛犬の枠に捉われない色々な生物を象ったシーサーもあると言う多様性を持った芸術になっています。現在、シーサー農園は写真映えのスポットとして極めて人気が高いですが、理由は単純ではありません。色彩対比としては青空と極彩色のシーサーとの組み合わせは、写真映えの面では非常に強いです。人間が巨大シーサーの前に立つと、シーサーとのサイズ差によって写真に一種の物語性が生まれます。
短い時間ではありましたが堪能出来ました

シーサーは本来、境界を守る存在です。村の境界、家の入口、聖域の門、米子焼工房のシーサー農園では、それが拡大され、現実と異界の境界を守る存在になっています。来訪者は園内に入った瞬間、日常世界から切り離されます。つまり巨大シーサーは、異世界への門番になります。夜に見たらどう感じるか、昼間はポップカルチャー的な芸術で楽しいです。しかし夕暮れや夜を想像すると、印象は激変します。巨大な目、巨大な牙、極彩色の身体、沈黙する獣神、これは古代祭祀的な恐怖感さえ持ちます。
つまり米子焼作品は、可愛さ、神秘、畏怖、ユーモアを同時内包する稀有な存在になります。沖縄文化との関係で言えば、ニライカナイ信仰や御嶽信仰、自然崇拝や祖霊信仰等、自然と霊性を結びつける思想が強いです。米子焼工房のシーサー農園もまた、人工物でありながら自然霊的な物と言う独特の感覚を持っています。これは沖縄的世界観と非常に相性が良いです。米子焼シーサーは自由な創作性がありました。形も色も決まった制限がありません。それが見る側としても作る側としても一種の遊び心を解放しています。
滞在時間としては約30分でしたが、短時間の滞在時間でも視覚的に満たされる物が多い所がありました。写真映え要素が目当てであったとは言え、極彩色で描かれたシーサーが一種の癒しになって充足感としても良かったです。ツアーバスの出発時間が迫って来ましたので、ツアーバスに戻りましたが、ツアーバスの私の席の前に座っていた韓国人の参加者の方も満足されていたようで、日本語が分からなくとも芸術と言うのが伝わる物であるのかなと思いました。
ツアーバスは次なる目的地に向けて出発して行きましたが、今回のツアーバスでの最大の目標としての川平湾を見る為に川平公園の駐車場に向けて移動する事になりました。
次回の記事はこちらになります。
fuuga-no-esugata.hatenablog.com
最後までお読み頂き有り難うございます。
「風雅乃絵姿〜時代衣装変身体験と女一人旅〜」では、時代衣装や民族衣装の衣装体験・変身体験の為の情報や、女性の一人旅での旅行記を綴っています。
興味のある方は読者登録をお願いいたします。
ご一緒に衣装体験や変身体験、女性の一人旅の趣味の世界を楽しんで行きましょう。