風雅乃絵姿~時代衣装変身体験と女一人旅~

時代衣装、平安装束の変身体験の魅力と女一人旅の魅力を紹介しています。

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いつきのみや歴史体験館さんにて直衣の衣装体験をする事に。(2010年7月14日)

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2010年7月14日、いつきのみや歴史体験館さんにて夏季用の直衣の衣装体験をしてまいりました。 この時はついで訪問の形であったとは言え、夏季用の直衣の着用体験をしたいと言う事で、衣装体験をする1週間前にいつきのみや歴史体験館さんに電話をすると予約を取る事が出来ました。

衣装体験の概要

体験日:2010年7月14日

時間:10時30分から11時

いつきのみや歴史体験館さんの夏物の直衣

入場料金:無料

体験料金:2000円(不課税)

衣装の内容について

平安時代の貴族の常装を設定しての夏物の直衣姿。

頭飾り:冠

小袖:白色

単:赤色

直衣:縹色

指貫袴:紫色

実際に衣装を着付けられて

いつきのみや歴史体験館さんはこの時は3回目の訪問ではありますが、夏季用の直衣の衣装体験でと言う事であれば初めての体験になります。 いつきのみや歴史体験館と言われると平安時代系の時代行列で有名な「斎王まつり」の斎王役選考会の会場として有名な場所ですがこの時には祭とは関係の無い時期でしたので静かで落ち着いた雰囲気になっていました。

こちらの学術施設での衣装体験は衣紋道高倉流の着付けに則って行われて、前衣紋者と後衣紋者の2名のスタッフの方の着付けとなっています。 最初に控室に入って白小袖を着て足袋を履いて出ると衣紋者の方の簡単な自己紹介が行われてから着付けが開始されていきました。

最初に白小袖の着付けの手直しがされてからを指貫を穿かせて頂きました。 指貫は紫色の物になっています。 次に単が用意されましたので着付けて頂く事になりました。 単は赤色の物になっています。 単と言う意味では緋色の物が多いのですが、少し色味の違う赤色の物であると言うのが新鮮味を感じる事になりました。

単を着付けられてからは袍を着付けて頂きましたが袍は単衣の縹色の物になっています。 袍が着付けられた時点でお腹周りの生地が整えられてから冠を着けて頂いて直衣姿としては完成します。 冠があると言う事で直衣は直衣でもより格式のある冠直衣の形式の物になっています。

いつきのみや歴史体験館さんの体験用の平安装束は後年になって知りましたが、京都の老舗装束店である黒田装束店さんの作品が使われています。 後年になってその黒田装束店さんにも訪問をしましたが、その時には店長様と女将様といつきのみや歴史体験館さんに出されている平安装束の仕様の設定の話がされる事になりました。

流石に黒田装束店さんの作品であるのか、直衣の生地の状態が良くて重厚な作りになっていて、裾やお腹周りの作りもきちんとしていて、袖も綺麗に着付けられているのを見て流石は衣紋者の方の着付けであると感じさせられました。 弓なりのお腹の作り方が衣紋道高倉流ならではであろうと思いました。

男性の設定の平安装束の場合は着付けをして頂く物が少ないのか短時間で着付けが仕上がっていきました。 新型コロナウイルスが流行していた時期ではいつきのみや歴史体験館さんの平安装束の衣装体験が休止されていましたが、現在では衣装体験の募集も再開されるようになって新型コロナウイルスの影響から解放されているのかなと感じました。

新作の十二単の導入や撮影用の機材の面での進化がありましたので何らかの機会があればいつきのみや歴史体験館さんでの久し振りに十二単の衣装体験に行ってみたいと思っています。 遠方ではありますが行ってみたいと言う気持ちはあります。

私が十二単の体験者として行くと言うよりも夫を直衣の体験者として申し込みして頂いて私が撮影の付き添いで行っても良いのかなとも思うようになりましたが、私の場合は撮影上手で撮られ下手な所があるので撮影係の方が向いているのかなと思いました。

メイクの設定

学術施設系の平安装束の衣装体験ですのでメイクに関してはセルフメイクの設定になっています。 自宅でメイクをして来ましたが、男装の設定ではありますが、貴族の設定であると考えてファンデーションをベースとしたメイクをして行く形になりました。 口紅は男装の設定に向いているナチュラルカラーの色目の物を付けての対応しています。 照明が明るいからなのか写真を明るく補整しているからなのかメイクの色が飛んでいるようでナチュラルカラーに写っているような感じがしました。

ポイントメイクはアイブロウとチークカラーとノーズシャドウとアイライナーになります。 ブラウン系のアイシャドウを塗って立体的な顔に仕上げていたらもっと雰囲気が出ていたのかなと思います。 体験時期が2010年であると言う事でこちらの記事を制作している2025年の現在とは異なっていて眉毛のメイクが薄くて細いです。 写真の明るさが補整される所を考慮してもうちょっと太い眉毛に仕上げていた方が良かったのかもしれません。

こちらの記事を書いている2024年の現在ではナチュラルメイクが流行しているのかアイライナーも黒色の物ではない柔らかい色の物も良く売られています。 2010年頃にナチュラルカラーが流行ってその後派手目の物が流行って2020年代に入って再度、ナチュラルカラーが流行ってと言う感じでメイクの流行が一巡しているようですがナチュラルカラーのメイクが流行している時に男装用のメイクアイテムを揃えると言うのも良いのかもしれません。 セルフメイクをする場合は常にその時代の流行を掴む必要があるのではと感じさせられました。

小道具の設定

小道具としては学術施設側で貸し出される蝙蝠扇の他に自前で持ち込んだ舞扇がありましたがそれを使用して身振り手振りで構図を作って行く事になりました。 夏季用の直衣であれば本来は蝙蝠扇が正しいのですが、当時は蝙蝠扇を購入するだけの情報力が無くて実際に私自身で用意したのが舞扇である所は御愛嬌をと言う感じでしょうか。 後年になって蝙蝠扇も購入する事になりましたが何らかの機会で男性の設定の平安装束の衣装体験の場で用いてみたいと思っています。

2010年の当時では小道具の持参が可能でしたが、後年になって楽器系の小道具の持参が不可能になったと言う事でこの点では惜しいでしょうか。 男性用の平安装束と言う意味では貸し出される小道具は笏もしくは蝙蝠扇になりますが、楽器系の小道具以外の物が持参可能であるのなら造花の花束のような感じでしょうか。 楽器系の小道具であると言う事では龍笛もそれに含まれますが、男性の設定の平安装束で龍笛が使えないともなると小道具を考慮する必要があります。

自由撮影

着付けが終わると学術施設側のデジカメで3枚撮影をして頂いてからは約15分間の自由撮影の時間に入って行きます。 自由撮影では立ちでの構図と座りでの構図と言った感じで色々と撮影をして頂きました。 こちらの記事を再編集している2025年の現在ではスタッフの方に撮影をして頂く場合はスマートフォンを渡す形で短時間での撮影は可能になっていますが、2010年の当時ではスタッフの方に手持ちのデジカメを渡して15分程度の撮影をして頂く事が可能になっていました。

自由撮影では立ちでの構図と座りでの構図と両方撮影して頂きました。 変身店や装束専門店の本格的な平安装束の衣装体験と異なっていて、資料を残す事に対しての意義があるからでしょうか、基本的な立ちでの構図と座りでの構図を合わせて3構図分の写真は撮影して頂けてそれをキャビネ判の大きさでプリントされた物が渡されます。 撮影時間としては15分前後の時間になっているのですがスタッフの方に色々な構図の写真を撮影して頂きました。

背景の設えの良さや写真の完成度を求めるのであれば変身店や装束専門店、単純の平安装束を着てみたいと思うのであれば学術施設系でしょうか。 2010年の当時ではそこまでこだわりが無かったですが、こちらの記事を再編集している2025年の現在では設えにこだわってしまう所が出て来ています。

変身店や装束専門店の本格的な平安装束の衣装体験で見られるような小道具類を持参するには技術的に難しいのかもしれませんが、あくまでも体験をする事が主体で絵になるような写真を多く残したいと言う場合では変身店や装束店に行っての衣装体験をした方が良いのかなと思いました。 写真はスタッフの方の撮影でしたが、撮れ高としては目瞑りを除くと着付けが出来上がってからの物では約30枚になっていました。

2010年の当時と言いますか男性の設定の平安装束の衣装体験の場合全般に言えますがどのような小道具を持参すれば良いのかと言う事が余り分からなかった思い出がありました。 持ち込みが可能な場所に限っての話になりますが、色々な小道具類を持参する事に関しては今後の課題であろうと思わせられるような衣装体験でありました。

まとめ

平安装束で男性の設定の衣装と言う意味では本格的な体験をしたと言う事では初めての物になりましたが、夏の時期に合わせられている涼しげな夏物の直衣を体験する事が出来たと言う事で収穫のある内容になりました。

2010年7月の当時ではいつきのみや歴史体験館さんの平安装束の衣装体験の料金はかなりのご奉仕料金になっていましたが、その料金設定であったと言う事でその当時の自宅から列車に乗って2時間以上の距離であるいつきのみや歴史体験館さんに行っても京都の本格的な変身店や装束店に行って衣装体験をする事と比較すると交通費を足しても安い設定になっていました。

2010年7月の当時では2000円、後年になってかなり値上げされる事になりましたが京都の変身店や装束店と比較すると安い料金で衣装体験が出来る平安装束、それも常設店舗が無い東海地方の物であると言う事でこちらのいつきのみや歴史体験館さんの平安装束の衣装体験は人気がありますが、衣紋道に則った着付けで実際に着付けられた姿としてはきちんとした物になっています。 東海地方の平安装束の衣装体験の趣味の方には絶大な人気がある学術施設ですがこの点では流石はと感じさせられる物がありました。